【ロシア】200日の漂流―モスクワ大学留学記2010-2011

2010年12月27日

「おススメの日本文学は?」

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 日本に興味のあるロシア人の友人たちの、日本のポップカルチャーへの知識が凄まじくて、僕のほうがなかなかついていけない、ということは、このブログでもたびたびぼやいています。
 ただ、そんな中でも、僕にも何とか対処できるジャンルというのはあります。日本文学です。特に、大正から昭和にかけての文学で、高校生が国語の授業で「文学史」として学ぶあたりの文学のことです。これらの多くの作品は外国語に翻訳されており、ロシア人の中にも、作品に触れている人は少なくありません。
 一体何を読んでいるのかといえば、これまで聞いたのは、川端康成、芥川龍之介、三島由紀夫、安部公房、谷崎潤一郎などでしょうか。これらの作家たちの作品を、ロシア語、あるいは英語で読むといいます。

 何々を読んだというのですが、当然ながら作品名が、日本語と外国語とではまったく異なります。ですので、いつもストーリーを語ってから、ああ、それは『○○○』だね、という感じの会話になります。そして、時には何かいい作品や作家はないか、とおススメを求められるのです。
 
 僕は、文学が好きとはいえ、上記の作家たちの作品には最低限くらいしか触れていません。この中で一番記憶が鮮やかなのは、安部公房の『第四間氷期』という作品くらいなのですが、果たして翻訳されているかは分からないし、外国語での題名なのがどうなのかも、ほとんど見当がつきません。また、自分が薦めたところで、相手が面白く思うかも分かるものではありませんし。これは何もロシア人に対してだけではなく、日本人を相手にしたときも同じです。

 とはいえ、有名な作家なので、とりあえず有名な作品を挙げています。あるいは、wikipediaを見てみるといいかも、という「逃げ」も発動してしまうことも……。一応これでも、アニメの話題よりかは、はるかに盛り上がって話すことができるのです。だから、「何とか対応できる」という表現を使ったのですが……。

 僕が好きなジャンルというのは、主にノンフィクションであったり、小説でいえば、歴史小説やハードボイルドの類であったりするので、なかなか薦めづらいものです。まず「ハードボイルド」というジャンルの説明から話さないといけない場面も少なくありません。そして、これも同様に、ロシア人に対してだけではなく、日本人に対してもなのです。要するに、全ての悩みの原因は、自分の「趣味の偏り」に帰結してしまうのです(汗

 もう一度、世界的に有名な作家たちの作品には目を通しておかねば……、とポップカルチャーのときと同じように、自分の「教養」のなさを痛感するのでした……。

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2010年12月15日

日本のカルチャー1―コミュニケーションの妨げ

 『ワンピース』という人気漫画がありますが、僕は読んでいません。累計発行部数が2億を超える、国民的漫画とされるわけですが、読んでいません。ときどき「非国民」と言われるのは、まあ数字的にはそうでしょう。何も、『ワンピース』に限ったことではなく、最近の少年ジャンプ系の漫画は、名前は知っていても実際に読んだことがありません。そして、漫画に限ったことではなく、最近のテレビドラマや、映画を頻繁に見ることはありません。名前や出演俳優について、知ってはいるが、見たことがありません。漫画、ドラマ、映画。それも日本の。

 これが、最近「仇」になっているな、と思うことがよくあります。日本では、特に気になることではなかったのですが、こちらでは、これを痛感することが多々あるのです。なぜなら、ロシア人のほうが、はるかに日本の漫画、ドラマ系には詳しいからです。よく「〜を見た?読んだ?」と聞かれるのですが、「知っている」というのが精一杯です。中にはまったく知らないものまで聞いてくるので、お手上げです。もう日本の友だちを彼らの目の前に召還したくなります。
 ネット時代というのは、恐ろしいもので、ロシア人たちはみな、アニメ、ドラマ、映画をネットで見るそうです。しかも、そのおかげで日本語も覚えたという人もいるから驚きです。漫画に関しても、有名どころはロシア語の翻訳が出版されています。

 自分の国の文化について、説明できないというのは、やはり恥ずかしいことかもしれません。
 ただ、一方で思ったのは、日本のポップカルチャー、サブカルチャーについて、外国語で外国人に雄弁に語れるというスキルの組み合わせは、ビジネス的にも、人間的にも面白いかもということです。日本のポップ・サブカルチャーの注目は、何もロシアに限ったことではなく、世界的にも見られるものです。よくフランスなどでの人気が報道されるわけですし。ですので、やはり最近のポップ・サブカルチャー、かつては「オタク文化」と呼ばれたものについて話せる、というのは、ひょっとしたら国際人としては必要なのかもしれません。
 入国前に、一日だけ秋葉原をフィールドワークするだけでは、克服できるものではありませんでした。もっとも、一度秋葉原を探索しただけなのに、さぞ何度も行ったかのように話すのは得意ですが……。まあ、ネタにはできているので、よしとしています。

 こう書いていると、僕が漫画も読まない、堅苦しい人間に思えてくるかもしれませんが、いえいえ、ちゃんと漫画は読んでいます。ヤクザ系、格闘技系、スポーツ系、たまに歴史系。ただ偏っているだけです(汗)そして、僕が挙げる漫画は、ロシア人も、ときには日本人も知りません(汗)

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2010年11月22日

ヲタク、コスプレ、アニメ、AKB……

 さて、昨日の内容に引き続き、モスクワで行われたJ-Popフェスティバルについて報告していこうと思います。前回、引用した記事に

 20日からモスクワで開かれているこのイベントは、アニメやファッション、音楽を初め、今の日本の若者の文化を紹介しようというものです。ファッションショーでは、プロのモデルではなく公募で選ばれたモスクワの中高生や大学生などが参加、日本のロリータファッションなどを披露しました。会場にはたくさんの若い人たちが自分たちの好きな格好で集まりましたが、単純に日本のまねをしているのではなく、すっかり自分たちのものにしているという感じでした。


とあるのですが、僕の友人が、この「公募で選ばれたモスクワの中高生や大学生」と友だちでして、当日、会場で実際に仲良くなったのです。ちなみに、時事通信も、このイベントについての記事を発信しているのですが、

時事通信記事.png
実際の記事はコチラ

この画像に載っているロシア人二人は、その仲良くなった人たちのうちの二人です(驚 「AKBのメンバーと写真を撮ったよ〜」とかも言っていたので、本当に驚くばかりです。(AKBのメンバーのブログを見てみると、ロシア人との写真も載っていたので、何か不思議な感じがしました)

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 このイベントでは、とにかく日本人はモテるのです(笑)どういう意味かと言うと、一緒に写真を撮ってくれ、とか、日本人だけの写真を撮っていいか、など、被写体になってほしいとのことでした。何度、写真を撮られただろうか……、若干得意気になったのは、単なる思い違いですね(笑)
 単に、写真を、という人もいる一方で、実際に日本語を勉強して、日本語で話しかけてくれる人もいて、こちらも嬉しいものでした。先のコスプレショーのロシア人の中にも、日本語を勉強している人がいますし。
モスクワに来てから、日本に関心のあるロシア人と、たくさん出会いましたが、彼らの多くが、日本のアニメやドラマを見てから、勉強したくなったと言っています。その言語を学びたいと思わしめるほどに、インパクトがあったのでしょう。

 多くのロシアの若者が、こうした日本の文化に熱い視線を送っています。このところの日ロ関係とは正反対の雰囲気が会場にはあふれていました。
 

という記事の最後の文章は、まさしくそうだと思います。AKBのコンサートで、「ロシア、日本、友だち〜!!」とメンバーが叫んでいましたが、このような率直で、純朴な意見というのは、やはり大事だなと思ったしだいでした。このように、素直に打ち解けている人々の姿を見ていると、国益が何だとか言っているのが、どうしてもつまらないことに思えてしまうのは、仕方がないことでしょうか。(もちろん、それらを疎かにしてもいいと言っているのではありません)

 楽しく、かつ、真剣に向き合うべき何かを気づかされたようで、たいへんに収穫のあるイベントでした。

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2010年11月21日

モスクワでAKB!!!

ロシアで日本文化紹介、AKB48も参加
 ロシアの首都・モスクワで20日、日本文化を紹介するイベントが開かれ、多くの若者が集まりました。イベントには日本のアイドルグループ「AKB48」のメンバーも参加しました。
 20日からモスクワで開かれているこのイベントは、アニメやファッション、音楽を初め、今の日本の若者の文化を紹介しようというものです。ファッションショーでは、プロのモデルではなく公募で選ばれたモスクワの中高生や大学生などが参加、日本のロリータファッションなどを披露しました。会場にはたくさんの若い人たちが自分たちの好きな格好で集まりましたが、単純に日本のまねをしているのではなく、すっかり自分たちのものにしているという感じでした。
 「日本では若い人をはじめ、きれいな服を着て自己表現しているのがすばらしいです」
 「ロリータファッションが好きです。特に甘い、落ちついた雰囲気のものが好きです」(ファッションショーの参加者)
 また日本のアイドルグループ・AKB48も参加。フェスティバルは初日から多くの人で賑わいました。
 「(ロシア語で)ウメチャンと呼んでください!ありがとう!」(AKB48・梅田彩佳さん)
 多くのロシアの若者が、こうした日本の文化に熱い視線を送っています。このところの日ロ関係とは正反対の雰囲気が会場にはあふれていました。(21日10:56)(TBSnews)


 昨日、これに行ってきました。
 まずは、AKB48のコンサートのレポートからしていこうと思います。

 コンサートが始まる、1時間くらい前だったでしょうか、「AKB、48!、AKB、48!」と叫ぶ、怒涛のような声が聞こえたのです。思わず、声の発信源に行くと、20人くらいのロシア人によるAKB48の応援団がいたのでした。

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 この集団にみな釘付けで、日本のメディアなどをはじめとして、取材する姿が見受けられました。

 そのうち、コンサートの時間になりました。実際に、AKBのパフォーマンスは、日本でも見たことがなかったので、今をひた走る彼女たちは、どのような感じなのだろうと、内心としても楽しみにしていました。
 最初、2曲を立て続けに歌ったあと、自己紹介、およびトークに入りました。記事にあるように、彼女たちはロシア語であいさつをしたのです! しかも、「AKB48」(エーケービー・フォーティーエイト)というグループ名も、ロシア語読みにして……

АКВ48(アーカーベー・ソーラックボーセミ)

ロシア語で読むと、本当にこうなるのですが、彼女たちがそうやって呼んでいたので、たいへんに面白かったです。全部で12人のメンバーが来ていたのですが、みなロシア語で「私は〜です」「〜(あだ名)と呼んでください」「私は〜が好きです!」「УРА〜!!(わー!!)」などのロシア語をしゃべっていたので、完全にロシアプログラムだなあ〜と感服しました。

しかも、このトークのときだけではなく、コンサートでは一貫してロシア語がところどころで、使われていました。おそらくですが、「ありがとう」という日本語は耳にしていません。必ず「スパシーバ」と言っていたように思えます。それから、「次の曲は〜!!」とか、「最後の曲は〜!!」という合間のつなぎの言葉も、すべてロシア語で彼女たちは表現していました。

 実際のコンサートということもありましたが、このAKBの公演が、この日一番盛り上がったといっても過言ではないかと思います。国は違っても、会場の雰囲気は、完全にAKBに持っていかれていたような感じでもありました。なぜ、彼女たちが支持されるのかということも、大分わかったような気がします。

 今回、AKBは、はじめてロシアで公演をしたといいます。そして、今後はモスクワを皮切りに、ヨーロッパ、そして世界へ、という話をしていました。

 さて、少し話が長くなりつつあるので、このあたりで。他の話もありますので、それは明日へと持ち越します。

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2010年11月18日

世界の化け物1−言語の達人たち

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 僕にとって、ロシア語とは、客観的には「第二外国語」という位置づけにあります。何も、外国語学部に所属しているとかいうわけでもないので、そのようになります。もっとも、外国語学部から来ている人たちからすれば、ロシア語が「専攻」となっているのですが。それでも、中学、高校で英語を学んで、大学で新しい言語に向き合うという構造は、本質的には同じだと思います。何がいいたいかというと、母語としての日本語、国際共通語としての英語、それからのロシア語、という「第三の言語」という位置づけの人が、日本人留学生の中ではほとんだということです。

 長い前置きになりましたが、他の国からやってきている人たちは、必ずしもこのような「構造」ではありません。すでに、母語、英語を身につけて、さらにドイツ語やフランス語を、第二外国語として習得したのちに、ロシア語を勉強しているという人や、ロシア語を勉強しながら、他の言語にも手を出しているという人もいます。逆に、英語をすっ飛ばして、母語とロシア語しか知りません、という人もいます。少なくとも、驚きを隠せないのは、前者の人たちの存在です。本当に、あらゆる言語に精通しているという人を見ると舌を巻いてしまいます。

 一つ面白い例があります。
 ある日、まだモスクワに来てまだ日が浅いときに、学校の廊下でふいに日本語が聞こえたのでした。あ、日本人だ、と思ってふり向くと、何と、今度は韓国語で話し始めたではありませんか。実際に、日本語を話していたのは、韓国の人だったのです。何でも、モスクワで仲良くなった日本人の人に、遊びながら日本語を教えてもらったとのこと。しかも、驚くべきは、流暢に話しているというのに、勉強期間は一年も経っていないということです。(ただ、読み書きは出来ず、もっぱら会話だけといいますが……、それでもすごいものです)ちなみに、このような韓国の人が、一人ではなく、二、三人いるということも書いておきます……。

 ロシア語が同じくらいのレベルで一緒に勉強している人で、実はドイツ語に長けている、といった人も見受けられます。

 いやあ、世界は広い。上には上がいる、というのは、こちらに来てから痛感に痛感を重ねております。本当に、強烈な刺激になります。

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