【ロシア】200日の漂流―モスクワ大学留学記2010-2011

2010年11月29日

3ヶ月のけじめ1

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 題のごとく、留学生活も3ヶ月が過ぎた。3ヶ月というのは、とある物事を継続するさいの目安になる期間だと思っている。勉強にしろ、筋トレにしろ、だいたい3ヶ月も経てば、何かしらの「結果」がついている。そして、3ヶ月の時間の経過は、次のグレードへのステップアップの始まりの期間でもあると思うのだ。そのような意味を込め、改めて、この留学について考えてみたい。

 留学というのを漠然と考えはじめたのは、中学のころのこと。社会は、国際化、国際化とうるさく、僕の身の回りもそうで、特に親父は、外国へ行け!と半分本気で言っていたような気がする。でも、行き先となる国などは決まっているわけもなく、単にかっこいいという理由からイギリスかどこかだと思っていた。
 ロシア、という国を意識し出したのは、中学3年のころだと記憶している。当時は、デイトレードブームや、後のライブドア事件に象徴されるように、株式ブームだった。社会に対して興味を持ち始めていた田舎の少年は、その面白さに惹かれた。国内だけではなく、国外の株式にも興味を抱き、自然に、その類の本を生意気に眺めていた。その中でも、BRICsという新興国の存在は大きかった。半端のない成長率の数字を並べていた4カ国の中でも、少年の注意をひいたのは、ロシアだった。資源を中心とした経済成長で、国力の伸張を牽引していたプーチン大統領は、刺激を受けやすい田舎少年の目には、とても「かっこよく」映った。ロシア、という広大な国を意識し始めたきっかけは、単にこれだけだった。
 
 受験勉強、人間関係などにどっぷりと浸かった高校時代でも、僕の頭からロシアという国が離れることはなかった。それでも、現実に「ロシア」と触れる機会などなく、客観的に見れば「ロシアへ行く」というのは、なかなか非現実的なものだった。一応、高校時代から、「ロシアへ留学する」と公言していたのだが、おそらく誰も本気に取っていなかっただろう。

 補欠合格でもはじかれ、その後の「繰上り」合格で、今の大学に入ることになった。入学に際し、必修授業の関係で、第二外国語を選ばなければならず、僕は迷わずロシア語を選んだ。単に第二外国語で選択しただけなのに、僕にとって、ロシアというものが急激に近づいた。一番には、熱心な担任の先生のおかげで、ロシアに関するあらゆる情報に触れることになったことだろう。それによって僕の浅はかな「ロシアへの憧れ」というのは、しだいに輪郭が見えはじめていた。やはり、ロシアという国への興味は本物だ、という確信に変わっていった。

 留学を決断して、身の回りにも留学することを打ち明けていたが、不安視する人も少なくなかった。第一に、危ないんじゃないか、と。しかも、今年の3月末にはモスクワの地下鉄でテロまで起こったものだから、そのような声はますます強かった。それでも、行くことを諦めなかったのは、自分自身の意思の現われだったと思っている。正直に打ち明けると、テロが起きたさいに、逆に僕の留学願望は強まったのだ。行かなければならぬ、と。テロという、きわめて「現実的」なことと対峙しているロシアという国と真剣に向き合ってみたい、そのような思いが沸いたのだった。また、外国に一度も出ずに、いきなり留学に突入することを不安がる人もいた。
 そのような意思がある一方で、一度も外国に出たこともなく、東京の生活で精一杯だった田舎の青年に、まったく「恐れ」がなかったわけではない。留学へ行く、という強い気持ちと相反する、「逃げ」の感情もわずかだったがあった。それでも最終的には、前者の強い気持ちが勝ち、今に至っている。

 8月は、日本の身の回りの人たちに、送りだされた。大学の友人をはじめ、親戚などに。最後に掛けられる言葉は、

「生きて帰ってこい」

みな冗談半分、半分本気だった。それでも、僕は本気でその言葉を受け取っていた。それは、今でも思っていることだ。僕の留学のテーマは、「人生最大の挑戦」なのだから。

出発する前までは、ずいぶんと妄想したものだった。日本人は少ないだろうな、相部屋は外国人だろうな、街中で絡まれたりして、あるときには格闘したりするかもしれない。他の国から留学生はどうだろう、ネオナチに遭遇するかもしれない、などなど……

そのような漠然とした妄想を抱きながら、青年は初めて外国の地を踏んだ。

つづく
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posted by Itta at 08:59| Comment(0) | 留学日誌(個人的近況) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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