協議では、WTOのドーハラウンドを完了させるなどの国際経済についてのほか、4カ国で団結して、農業を伸ばしてゆくことなどが話題に挙がった。何でも、各国が需要と供給の算定をより正確に行ってゆくためのデーターベースを、協力して設立するという。また、農業技術分野における開発も協力してゆくそうだ。そして、4カ国間の貿易をもっと活発にしてゆこうじゃないか、ということも話し合われたという。
現在、BRICsは、世界の人口の42%を占め、世界の耕作地の32%を占めている。さらに、小麦は世界の40%、豚は世界の50%、家禽(家畜として飼育される鳥)は30%以上、牛肉は30%、それぞれ占めている。
ロシアの貿易に占めるこの4カ国の割合はすでに高い。肉類の65%はブラジルから輸入し、農業分野において全体の12.4%をブラジルは占めている。また、インドは穀類やナタネ、アブラナなどの油糧作物の買い手として確実だそうだ。
しかし、ロシアは他国からの農業生産物の輸入を増やそうという気は、そんなに無いという。今年最初の食料問題に関する方策(ドクトリン)において、メドベージェフは、国内で消費される肉類の85%は、国内で生産すると述べ、ロシアという国自体を、局地的に、主要な農業輸出国にすると発表したそうだ。目標としては、今後15年で、農業輸出額を2倍にするといわれている。
現在、世界的な問題として人口増加による食料不足が挙げられている。これからは、食料の奪い合いが起こるとも言われているほどにである。飽食の国にあっては、なかなか実感しづらいが、現実はそのようだという。ロシアをはじめとするこの4カ国には、水面下での動きともいうべく、時代に対する「鋭敏」さを感じる。国家としていかに生き残ってゆくか、これを常に自問しているような態度を、この一連の協議から、ふと感じた。
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