【ロシア】200日の漂流―モスクワ大学留学記2010-2011

2011年01月31日

今、ここに生きることの「リアル」

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 今の世の中インターネットさえあれば、世界を見渡すことができる、という謳い文句は、何度も聞いたことがある。確かに、他の外国語のサイトを見たり、世界中のニュースを集めたり、SNSサイトで外国の人と交流したりと、手段としては、ほぼ無限にある。だから、ときどき、外国に出る必要もない、と言い出したり、意味もないと言い出したりする人が出てきてしまうのも、頷けなくもない。

 ところで、僕は、最近、外国に出ることの意味を一つ見出したような気がする。それは、「リアル」を感じるということ。言い換えれば、「直に」外国の「空気」を吸うこと。しかも、単なる旅行ではなく、生活ともなれば、その意味合いは深いものとなる。ネット上のバーチャルでは決して感じることのできない、匂い、手触り、そして体全体を包みこむ空気が、そこでは体験することができる。ネットで大方何でも済ますことのできるこの時代で、あまり意識されることなく薄れている「リアル」な感覚である。

 けれども、外国で、そのような感覚を体感している一方で、日本での「リアル」な感覚が薄れてきていることも、残念ながら否定はできない。
 
 今、僕が生まれ育った宮崎県というところは、鳥インフルエンザが猛威を奮い、霧島という火山が噴火している。「ある意味、テロよりも酷い」とロシア人に言わしめたこの状況を、僕はモスクワから見ている。灰が雪のように積もっている写真や、親との電話での会話からある程度の想像はつく。ある程度は……。ただ、やはり、100パーセントはっきりとしたイメージを持って考えることは難しくなっている。いくら18年間過ごした場所でさえも、「今」という「リアル」な感覚が欠けたときに、脳裏に浮かぶ風景というのは、自然と不十分なものになってしまう。故郷のことが、ぼんやりとしか思い起こすことができないのは、もどかしいことだし、寂しいことだ……。

 今、僕が感じられる「リアル」は、モスクワという街においてである。宮崎でも東京でもない、モスクワである。この「リアル」は、いくら日本の人がネットで感じようとしても無理な感覚である。かつてモスクワの地を踏んだ人であっても、100パーセントの「リアル」は感じ得ない。
 たった今、生活することでしか感じられない、この「リアル」を僕は真摯に発信していかなくてはならない。このことは、このブログのコンセプトであったはず。ならば……。
 
 残り2ヶ月を迎えるに当たって、改めて自己と向き合うのでした。

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2011年01月30日

ロシア版携帯電話詐欺

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 先日のこと。朝目が覚めると、携帯電話に知らない番号からメールが着ていました。誰だろうと思いながら、メッセージを読むと、以下のような意味のものでした。

お母さん、急いでビーライン※の8962*******に950ルーブルを入れておくれ。
でも、僕に電話しないでくれ。
後で説明するから。

※ロシアの携帯電話は、基本的にプリペイド式となっておりまして、いくつかの通信会社がそれを請け負っています。このメールの場合、ビーラインという通信会社を利用している8962…という電話に、950ルーブルをプリペイドとして振り込んでほしいということを意味します。

 
まあ、訳するとこのような感じでしょうか。要するに、「ロシア版携帯電話詐欺」とでもいいましょうか。オレオレ詐欺の簡易版に近いかもしれません。もっとも、このメールを見てオロオロとするわけもなく、ただただ無視しただけでした。

 このメールをロシア人の友だちに見せたところ、有名な詐欺メールだと言っていました。ネットで検索をかけてみても、それらしいことが書かれていたので、まあ、詐欺メールだと見なして問題はないでしょう。

 それにしても……、何て簡素な詐欺メールなんでしょう。日本の狡猾で巧妙な詐欺メールなどに触れているために、免疫がついているのでしょうか。いやいや、ロシアをあなどってはいけません。最強のハッカー大国らしいこの国をナめると痛い目にあってしまいます。

また何故、僕の携帯にこのようなメッセージが舞い込んできたのかも謎です。何も変なことはしてないのに……。そういえば、モスクワに来たばかりのころに、間違い電話が何回かかかってきて、電話口で口論になったこともありました。そのような通信関係に関してはたびたび問題はあるのかもしれません。

 ともあれ、ある意味、良い体験ができたしだいでした。

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2011年01月29日

「日本の皇帝の名前は何て言うの?」

 昨日のロシア人の友人との会話。日本人からしたらトンチンカンな質問ばかりですが、ある意味、これが世界という世間から見た日本なのかもしれません。半分冗談のようにしてご覧になってください。

――皇帝の話になったとき……
「日本にも皇帝はいるよね?」
「いるよ。日本では“テンノウ”というけれどね。」
「どこに住んでいるの?」
「東京の中心だよ。」
「中には入れないないよね?」
「まあ、中は無理だろうね。でも周りに大きな堀があって、そのあたりを歩くことはできるけどね」

「彼に手紙とか書けるかなあ……」
「書いて送ったとしても、本人が読むかどうか分からないね。」
「そりゃ残念。そういえば、インペラートル(天皇)の名前は何て言うの?」
「今の天皇はね……、確か、アキヒトというよ。」
「何で日本人なのに、日本の皇帝の名前をはっきり覚えてないのよ?」
「いやあ、普段そういう呼び方をしないから……。日本では、基本的には『〜天皇』というような言い方をしてきたから。だいたいそこには時代の名前が入るんだけど。」
「彼に苗字はないの?」
「ないよ。」
「何で?」
「……※」
「パスポートとか苗字がなくて大丈夫なのかしらね……」

「まあ、いいわ。ア・キ・ヒ・トね。Facebookとかないかしら?」
「(爆)いや、ないでしょww」
「何で?メドベージェフはtwitterがあるじゃないの。」
「それとは問題が違うよ。日本でも政治家はそういうのを持っているけれど、天皇はそういう感じの人ではないんだよ。」
「彼は政治家ではないの?」
「あっ、一番大事なことだった。天皇は政治に参加してはいけないんだよ。」
「彼は何をしているの?」
「ん〜、海外に行って、大使のような役回りをするし、国家の式に出席して、賞の授与とかをするかな〜。もちろん、これだけではないんだけど。」
「へえ〜、変わっているのね。」
「まあ、特殊といえば、特殊だよね。」

 他にも、現代のサムライはいないのか、とかどうすればニンジャになれるのか、など、もちろん冗談半分なのだろうけれど、聞かれました。日本人からすれば、天皇の話も含め、まずそういう発想をしないので、逆に新鮮でした。笑いながら会話をしていましたが、これも一つの日本への見方だと思って、心では真摯に感じていたしだいでした。

※参照→皇室の姓氏

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2011年01月27日

よくわからない感覚

 昨日のこと。
 授業が終わり、いつものように帰宅のために路面電車に乗った。ボーっと窓から外を眺めていると、とつぜんドアが開き、「みなさん、降りてください」というアナウンスが聞こえた。まだ終点に到着していないのに、何故だろうと思っていると、前のほうに路面電車が渋滞していて、これ以上進むことができなかったみたいだ。面倒くさいなあ、と思いながらも、事故でなくて良かったと安堵して、電車を降りる。

 外はマイナス10度前後だったけれども、陽が照っていたこともあって、心地よい空気だった。とぼとぼと線路沿いを歩いていたときに、ふと何てゆったりとした時間の流れだろうと感じた。平穏な、という形容がぴったりとくるような雰囲気だった。

もちろん、夕方前で車などもたくさん走っていたけれども、たった今、モスクワにやって来た人なら、まさか先日テロ事件が起きた街だとはまず思わないだろう。

モスクワという街を歩いていて、そのような平穏な空気を感じることのほうが多く、周囲がイメージしているような、常におっかない街だとはまったく思わない。とは言うものの、時として、暴動やテロなどの暴力が襲うことがあって、そのときだけはたちまち荒廃した街の様相を呈する。こういう例えは、おかしいかもしれないけれど、平穏な中に牙があるような印象を受けてしまう。

まったく持って不思議な街だな、と一瞬だけそのような感想が浮かび上がった。

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2011年01月26日

事件の影響―寮にも変化が…

 いつものように寮の中をうろうろとしていたら、何か寮内の雰囲気が違っていることに気がつきました。何か警備員の様子が違うのかと思っていたら、警備員ではありませんでした。たくさんの警察が動員されていたのでした。

 普段なら、入り口のところは警備員だけが立っていたり、通行書の確認をしたりするのですが、この日は警察が付き添っているのでした。何も悪いことをしていないにも関わらず、警察がうろうろとしていると思うと、少しは緊張してしまうものです。
 おそらくは、テロの影響でしょう。モスクワ大学というロシア最大の大学ともなれば、人の流動は大きいものです。また、多くの留学生を抱えるという面では、国際性も高いものがあります。十分警戒対象になるのでしょう。

 このように、事件後、日があけて目に見える形で変化が起こっていることに、改めて自分が生活する街で事件があったのだな、と思い知らされることになりました。

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