【ロシア】200日の漂流―モスクワ大学留学記2010-2011

2010年04月09日

ノスタルジア

 ノスタルジア。望郷、郷愁の念などの故郷を懐かしむこと。
 ロシアとの結びつきでいえば、A・タルコフスキーの『ノスタルジア』という映画作品を思い起こす人もいるでしょう。私も一度観たことがありますが、ハリウッド映画とは異なる、何やら異様な雰囲気に呑まれたことを覚えています。

 ロシア人には、ソ連時代は良かったと懐かしむ人が結構いるそうです。また、ドイツでも、旧東ドイツ側からも、社会主義時代が良かったと、回顧する人がいるという。
 社会主義時代おいては、企業による競争がなく、資本主義に翻弄されることはありませんでした。機械的に労働し、あるいは、労働とも呼べないほどに「楽」な就労状況だったといいます。そして、何もせずに生活が保障されていたので、現在から考えると、語弊を恐れずに言えば、さぞ良いものに映ります。
 ロシアの専門家に、佐藤優と亀山郁夫という人たちがいますが、彼らが訪れた1970年代には、少なからず「良い」印象があったそうです。(『ロシア 闇と魂の国家』参照)

 「昔は良かった…」という単なるノスタルジアからは何も生まれないという、ストイックな意見がありますが、確かに頷けます。ソ連の崩壊を悲しまないものには心がないが、それを再興させようとするものには頭がない、という趣旨のことをプーチンはかつて言ったそうですが、これにも納得できます。

 ロシアや東ドイツにおいて、過去を懐かしむ声があるということは、やはり人間なのだなという風に納得できます。しかし、それでは前に進まない。ただ、過去、故郷を懐かしむことは、少なからず心に安らぎをもたらすものだと思います。
 ノスタルジア。私はこれを一種の心の鎮痛剤だと思っています。多くのひとは、心がくすぐられるのではないでしょうか。どっぷりと浸かることは、あまり良くありませんが、人が大事にするものの一つではあると、信じています。


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posted by Itta at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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