【ロシア】200日の漂流―モスクワ大学留学記2010-2011

2010年04月08日

臨戦態勢か!?

 結構ショックを受ける記事を見た。

テロリストの声明、報道ダメ ロシア下院に法案2010年4月8日7時4分
【モスクワ=副島英樹】モスクワの地下鉄連続自爆テロなど各地でテロ事件が相次ぐロシアで、指名手配されているテロリストの声明の報道を一切禁じる法案が下院に提出された。提案者の与党下院議員は「殺人者に演壇を提供するのは許せない」と報道規制の必要性を強調。これに対し「事件の背景が分からなくなる」などの批判も出ている。
 法案のきっかけは、40人が犠牲となったモスクワ事件の犯行声明を出したロシア南部・北カフカスの武装勢力リーダー、ウマロフ指導者の主張を、一部の国内メディアが報じたことだった。犯行声明でウマロフ指導者は、チェチェン武装勢力を力で抑え込んだプーチン首相への報復などと述べていた。
 インタファクス通信によると、法案を提出した最大与党・統一ロシアのシュレーゲリ議員は「武装勢力に関するニュースは彼らの壊滅についてだけでいい」とも主張。グーグルのユーチューブでウマロフ指導者の声明が流れ、数十万件のビュー(視聴)があると指摘、「テロリストを支持しているのか」とグーグルも批判した。
 これに対し、ロシアジャーナリスト連盟のフェドートフ書記は「テロリストの正当化のために言い分をまるまる載せるのはよくないが、概要でも伝えないと背後に何があるのか分からない。テロリストの動機は何かを知る必要がある」と述べ、「声明の内容ではなく発言者で禁じるのは間違っている」と批判した。(asahi.com)


 最近の爆破事件を受け、メドベージェフ大統領をはじめ政府は、テロリストに対抗する姿勢を見せている。実際に、北カフカースにおける新たな反テロ部隊が組織されるという。対抗する、ということは、国家の立場からすれば理解は出来る。しかし、テロリストの声明を報じないというのは、国民の安全を無視した軽薄なものだと言わざるを得ない。テロリストの声明を発表するということは、国民の危機意識を喚起し、少なからず被害の縮小には繋がるはずである。
 むしろ、テロリストの声明を発表せずに、実際に今後テロが起こって、犠牲者を出すようなことがあれば、逆に責任は報道しなかった側にあるだろう。テロリストに加担しているのは国家であるともいえよう。

 ロシアでは、ほとんどのマスメディアは政府の傘下にある。もし、この法案が通るのなら、その報道規制は容易なはずだ。テロに関する情報を制限して、政府は何をしたいのだろうか。戦争の口実でも作りたいのであろうか。私には、今回の法案の論理が理解しがたい。
 テロへの報復という口実なら、第2次チェチェン紛争の二の舞である。今回も、同じような道を辿るとすれば、恐らくはかつてのように泥沼化するのではなかろうか。これでは、全く進歩していないことになる。

 単なる一つの法案なのであるが、私はここまで連想してしまった。まだ、法案の状況なので、否決されることを切に願う。


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posted by Itta at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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